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人類の叡智

by 唐草 [2023/04/14]



 数年前から「シンギュラリティ(技術特異点)は目の前に迫っている」と声高に叫ぶ人たちがいた。AIに職を奪われると危機を訴える人もいたし、その逆でAIが提案する公平で合理的な考えが世界をより良く変えると希望を抱く人もいた。
 様々な意見が渦巻いていたが、彼らが語る未来がいつなのかを正確に述べる人はいなかった。5年ぐらい前は2035年と言われていたが、去年ぐらいには2025年だという声が多くなってきていた。具体的な数字は挙がっても、その数字に確固たる証拠はなく、世間の注目を集めるための憶測でしかないものも少なくなかった。
 昨年末からのChat GPTの影響力を考えると、シンギュラリティを既に通過している可能性もある。変化というものは、気づいたときには既に巻き込まれているものなのかもしれない。
 Chat GPTは、ネット上に存在するアクセス可能な膨大なデータを学習させた大規模言語モデルを採用したAI。それは、ソフトウェア、ハードウェア、そしてネットワークの十分な発達がなければ実現できなかった仕組みと言える。
 今、広く一般向けに公開されているChat GPT 3.5の学習データは2021年のインターネット上のデータらしい。最新版の4では2022年のデータまで反映されているそうだ。
 ネット上のデータは玉石混交だ。それでも人が作り上げて公開したすべてを学んでいると言える。これを人類の叡智を集めたと大仰に表現する人もいる。
 本当にアクセス可能なすべてのデータが学習対象だというのなら、もしかするとここの駄文も学習データの一部に含まれているのかもしれない。ぼくも輝かしい人類の叡智の一部なのだろうか?それともアカシックレコードにゴミをポイ捨てした罪人なのだろうか?
 AIはこの先、どこまで進化していくのだろう。
 次バージョンのAIは2023年のデータを用いるのかもしれない。その中にはAI自身が作り出したデータが膨大に含まれているはず。それは、敵対的生成ネットワークの先にあるAIの自学自習の実現と捉えることもできそう。そう考えれば、既にシンギュラリティを超えた言って良いのでは?