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スカートを履こう

by 唐草 [2023/04/05]



 どこかの中学校が、性別で制服を決定するのを廃止したというニュースをやっていた。制服そのものは従来どおりズボンとスカートが用意されていて、学生各々が自分の着たいものを選ぶ仕組みになるそうだ。
 ニュースで学校関係者が「ズボンを選ぶ女子生徒を想定しているが、男子がスカートを選んでも構わない」というようなことを言っていた。
 昨今ようやく注目されだした「ジェンダーによる決めつけをなくそう」という考えを教育現場に持ち込んだ最初の一歩と言えるだろう。今後同様の仕組みを採用していく学校も増えていく可能性も高そうだ。先駆的な取り組みである点は高く評価できる。
 ジェンダーによる無意識の区別や決めつけを小さくしていこうという取り組みとしては、まだまだスタート地点でしかないという印象がある。
 別のアプローチとして男女共通の制服にするべきという考え方もある。男女の服の差をゼロにすることで全員への平等を実現する方法だ。勘定抜きで考えればこれがベストな方法だ。この方法を採用した場合はおそらくズボンになるだろうし、カワイイ感じの装飾も消えるだろう。スカートを履きたいんだ!という生徒の声に耳を貸さない強権的なやり方とも言える。
 どうしても制服を導入したいのであれば、ニュースで紹介していたようにスカートとズボンなどの異なるスタイルを用意して生徒に選ばせるやり方のほうが、個に寄り添った対応なのかもしれない。
 先進的な取り組みとは言え、カムアウトに抵抗のない性的マイノリティーのことしか考えていない感があるのが残念だ。カムアウトしたくないので選びたいものを選べない生徒もいるかもしれない。
 また、性的マイノリティーとはまったく別の視点も考えてほしい。暑い夏の日にズボンは暑いので履きたくない。そんな理由からスカートを選んではダメなのだろうか?体も心も男でも、服の機能的合理性を追求した結果スカートが良いという結論に達することだってあるかもしれない。もちろん見た目が好きという理由で選んでもいい。
 制服の選択はカムアウトの手段ではない。服なんて毎日をより良く過ごすために選ぶべきだろう。