by 唐草 [2023/04/10]
生肉を食べて食中毒になるというニュースは少なくない。肉の種類はさまざまで、生レバーもあれば鳥刺しのこともある。これらは、今までに幾度となく食中毒を引き起こしてきた。
最近、生ハンバーグや生つくねなどの挽き肉を使った新たな生肉料理が一部でブームになっていると聞く。挽き肉は空気に触れる表面積が多いだけでなく、ミンチにするための機器の衛生管理も難しい。塊肉よりリスクの高い調理方法の生肉に手を出そうという人の気が知れない。
リスクを知ってもなお生肉を食らう人が後をたたないのはどうしてだろう?
寿司や刺身で食べる生魚は美味しいのだから、肉も生がうまいはずだという生食への信奉?店で出すなら生でも大丈夫だろうという店舗への信頼?自分だけは平気だろうという楽観的な考え?はたまたリスクを上回る他では味わえない美味しさがあるのだろうか?
ぼくにはどれも理解できない。とは言え、頭ごなしに生肉食いを否定しているわけではない。専門店で牛のタルタルステーキを食べたこともあるし、鮮度が売りの店で鳥刺しやレア焼き鳥を食べた上での判断だ。これらは美味しかった。けれど、もっと美味しい肉の食べ方はいくらでもある。
今日は、ぼくの考えるもっとも肉を肉らしく楽しめる料理を挙げてみたい。この選定では、あまり味付けをしないことを重視している。
まずは牛。牛は肉の味が濃いのでステーキがいい。でも霜降りは肉感がない。牛らしさを楽しむのなら赤身肉の低温調理ステーキだろう。表面だけしっかり焼いて、後はオーブンで熱を通すローストビーフみたいなステーキ。断面は真っ赤でもしっかり火が通っている調理方法だ。
続いて豚。豚はトンカツが一番だ。衣が豚の旨味を逃さず凝縮してくれる。トンカツにかけるのはソースか塩か論争があるが、正直どっちでも良い。主役はあくまでも豚なんだ。
最後に鶏。これにはかなり悩んでいる。唐揚げとフライドチキンで甲乙をつけられずにいる。1つ言えるのは衣をつけて揚げるのが確実だということ。
肉は火を通して旨味を凝縮したほうが絶対に旨い。