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お役所仕事

by 唐草 [2023/04/13]



 今日は市役所で行政上の手続きをしてきた。本当は先週のうちにやっておくべき案件だったのだけれども、ダラダラと先延ばししていたら締切が目の前に迫っていた。何を準備してどのような処理が必要なのかも分かっていないまま、とりあえずマイナンバーカードだけを手にして市役所に飛び込んだ。
 結論から言えば、ぼくは必要な書類を持っていなかった。それでも門前払いせずに別の方法で対応してくれた。二度手間にならなかったのはありがたい。右も左も分かっていないぼくに対して様々な選択肢を示してくれた。それだけでなく、説明を聞いている途中でぼくが方針転換したり、「確認するんでちょっと待ってください」と言って話の途中でスマホを取り出して色々確認するのにも辛抱強く対応してくれた。
 ぼくが窓口職員だったらブチ切れていたかもしれない。行政の仕事が、サービスと呼ばれるようになったことを肌で感じる一時だった。もはや、杓子定規で融通が効かないことを「お役所仕事」と呼ぶのは前時代的。
 窓口には数枚の申請用紙を出すことになったのだが、その用紙のいずれもが記入の必要な欄を蛍光ペンで強調していた。どこに記入すればいいか迷わないので申請も楽だった。この蛍光ペンによる印は、現場での工夫から生まれた気遣いなのだろう。
 サービスとしてありがたいし、用紙1枚1枚に蛍光ペンで印をつけている職員の作業には頭が下がる。
 とは言え、これだけデジタル化してAIすら稼働するようになった世の中で蛍光ペンで線を引く業務というのは、前時代的過ぎる。そういう強調が必要な利用者に優しくない申請用紙を使い続けている点だけは、いまだにお役所仕事と言うしかない。
 もっと誰もが楽をできる申請用紙を作れないものだろうか?これはデザインの仕事になる。
 申請用紙をカラー印刷できるのであれば話は簡単だ。だが、そんなことをしていたらコストが膨れ上がってしまう。安価な白黒コピーで対応できて、誰もがミスなく記入できて、既存の処理と互換性のある用紙デザインが必要だ。
 デザイン要件の壁が厚い。
 ぼくのアイディアでは、蛍光ペンに勝てそうにない。