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もっとも差が出るのは

by 唐草 [2023/04/19]



 CPUや電源などのバラ売りのPCパーツを買い揃えて1台のPCに仕上げる、いわゆる自作PCはマニアックな趣味と思われている。
 実際にやってみれば拍子抜けするほど簡単。電子工作というとハンダゴテのイメージがあるが、そんなものは必要ない。ドライバー1本で十分。つまり、ニッパーとヤスリを使うプラモデルよりもずっと簡単だと言うこと。
 それなのにマニアックな印象が強いのは、既製品を簡単に買えるからだろう。自作PCなんてものは、乾麺を買えばすぐ済むのにあえて麺を手打ちするのと同じようなもの。手打ち麺は打ちたてを食べられるので乾麺より美味しいかもしれない。しかし、PCは自作したからと言って同じ部品を使った既製品より高性能になる訳でもない。昔は自作の方が安価だったが、今ではDellなど大手の量産効果によるディスカウントには太刀打ちできない。
 得られるのは、自己満足だけ。だが、これこそ趣味の醍醐味だ。
 バラ売りの既製品を組み立てるだけの自作PCとは言え、作る人のスキルや個性で差が出るのも事実。最近は光るゲーミングパーツが登場したので見せるPC作りが流行っている。
 同じ色に光って統一感を出すパーツ選び、配線が見えないように基板の裏側を通す裏配線などがトレンドだ。光るパーツは性能へまったく寄与しない。裏配線は空冷に影響するが、ファンやケースの影響の方がはるかに大きいので誤差レベルでしかない。
 結局のところ、同じパーツを使えば誰が組んでも性能に顕著な差は出ない。この事実を踏まえるとPC自作スキルなんてものは、あってないようなものとも言える。
 それでもあえて最も性能に差が出る可能性があるスキルを挙げるとしたら何になるだろう?
 やっぱり、CPUとヒートシンクの間に適量の冷却グリスを塗るスキルではないか。でも、悲しいかな2枚の金属の間に挟まれたグリスの状態は誰からも見えない。グリスの状態が唯一分かるのは、塗りすぎてはみ出た失敗パターンだけ。適量と少な過ぎを見極めるのは難しい。作った本人ですらよく分からない。
 なので今日もグリスをどう塗るべきかという不毛な議論に花が咲く。