KL system

新品感ゼロ

by 唐草 [2023/04/22]

　新しいMacをゲットした。M2搭載のMacbook Airだ。GPU性能の低い下位モデルだが、性能は充分。コスパで言えば、現在あるノートPCではトップクラスの1台。OSに左右されないのであれば、これしかないと断言できるほどにバランスのいいモデルだ。
　自腹を切って買っても良いと思っていたが、幸運にも業務で使うという名目で経費で購入してもらえた。なので組織のものであって、ぼく個人のものではない。そんなこと知ったものか。少なくとも契約のある1年間は、個人のMacとして公私共に使わせてもらう。遠慮なくぼくのApple IDとGoogleアカウントを連携させた。
　このM2 Macbook Airの前にMacを購入したのは2018年まで遡る。iPhoneやiPadで使われているApple独自のCPUをMacでも使うのでは？という噂が流れていたころのこと。やがて噂は真実となり、Macはシンプルなアルミ筐体こそ変わらないもののハードウェア的にもソフトウェア的にも変化を遂げていった。
　コンピュータの世界で5年の隔たりは、あまりにも大きい。新しいMacに触れれば新鮮さや驚きに満ちているのだろうと胸を膨らませていた。
　だが、実際にログインしてみても新鮮さなんてなかった。
　1つはmacOSが正当進化しているので、そこまで使用感が変わっていなかったから。これまで使ってきたMacにも最新版の1つ前のOSを入れているので、操作面に変化がないのは当然。
　新鮮さを感じなかった理由はもう1つある。こちらが本命の理由だ。
　個人のApple IDを使いまわしてMacをセットアップした。その際にiCloudとの同期は有効にした。これが新鮮さをかき消した。
　初めてログインしたはずなのに書類フォルダには、さっきまで使っていたファイルがあった。クラウド同期なんだから当然と言えば当然。だが、5年使ってきたMacのゴミをそのまま移行したとも言える。
　新居に引っ越したのに、引っ越し前とまったく同じ家具配置にしてしまったかのよう。実家のような安心感はあれど、心躍るものは何もない。

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