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耳が痛い話(物理)

by 唐草 [2022/10/12]



 耳が痛い話といえば、普通は聞きたくない話を指す慣用句だ。ぼくのように「他人が自分のことを話すのはすべて悪口」だと思っている人間にとっては、聞こえるすべての話が耳に痛い。褒めているのは嫌味だし、批判は敵意の表れでしかない。
 とは言え、今日の耳が痛い話は慣用句とは無縁。心の痛みではなく、物理的な痛みの話。
 数ヶ月前に、仕事を辞める前に余っている個人予算で自分用のワイヤレスイヤホンを買おうと画策していると書いた。本当はノイズキャンセリング搭載の高級機が欲しいところだが、それだと予算オーバーだし経理が許可してくれない可能性が高い。だから、オンライン会議用という言い訳が立つ範囲の無難な製品をチョイスするしかなかった。
 しかし、ミドルクラスのワイヤレスイヤホン市場は魔窟だった。令和最新型というキャッチフレーズが判で押したように書かれた謎メーカーの製品。定価の意味が消失するほど過激なセールを常時実施している謎ストア。中華製廉価商品から掘り出し物を探すのを趣味にしているぼくでも手を出すのを控えるほど怪しさ満点の市場だった。
 冒険を避けて無難な製品を探した末にたどり着いたのが、JVCケンウッドのHA-A5T。性能も価格もレビューも何もかもが無難。オンラインストアのカートに追加しても、なんのワクワクも感じない。消しゴムを買うときよりも真顔でショッピング。
 実際に使ってみても、これといった特徴はない。でも、目立った欠点もない。面白みのない優等生という感じ。
 ただ、1つだけ困っていることがある。大中小の3種類のイヤーピースが付属しているのだが、どの大きさもぼくの耳の穴と相性が悪い。大と中は大きすぎて使っていると数分で耳が痛くなる。でも、小だと耳との間に隙間ができて音が悪くなるし、フィット感が無いと落としてしまいそうなのも気になるところ。
 ぼくの耳にフィットする別のイヤホンのイヤーピースを流用することもできたのだが、そうすると充電ケースに入らなくなる。
 痛みに耐えて音質と安定を取るべきか?それとも安物だし落としてもいいと割り切り痛みから逃れるべきか?