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動物のいる名前

by 唐草 [2022/10/14]



 NHKのニュースを見ていたら男性アナウンサーの名前に「羊」の文字が入っていた。おそらく「よう」と読ませるのだろう。名前としてはありふれた読みだが、珍しい字だ。男性名で「よう」と読ませる場合は大海原を意味する「洋」の字を使うことが多い。
 それに男女を問わず「羊」の字を名前に使うのは珍しいように思う。ぼくがこれまでに受け持った授業にも珍しい字の名前はいくつかあったが、「羊」がいた事はなかった。
 名前に動物を示す漢字を入れる場合は、強そうな動物を選ぶことが多い。映画『男はつらいよ』シリーズの「寅さん」なんかがいい例だろう。他には「龍」や「馬」も男性の名前に使われることが多い。想像上の生き物とは言え「龍」は最強の生物という印象が強い。「馬」は強さに加えて俊敏さも兼ね揃えている。
 強くたくましく育って欲しいという親の切なる願いを強そうな動物に託した名付けと言えるだろう。とは言え、坂本龍馬の龍馬はちょっとやりすぎな気がする。それに比べると「羊」は、温厚で優しそうだけどちょっと弱そうにも思えてしまう。
 だが、忘れてはいけないことがある。虎も龍も馬も、そして羊も干支に含まれる由緒正しく縁起の良い生き物なのだ。自然界での戦闘力が高ければいいというわけではない。アジアの文化を深く理解していれば、「羊」の持つ意味の奥深さに気づくことができるはず。
 では、その4種類以外に名前に使われる干支ってあるだろうか?
 
 ねずみ・うし・とら・うさぎ・たつ・へび・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・いのしし
 
 女性名に「子」が含まれることがあるが、「ネズミ」という意味で使っていることは無い。神様の名前に猿田彦があるが、人間の名前に猿の字を使っているのを見たことはない。いそうな気がするのは「とり」を「鶏」ではなく「鳥」と解釈した名前ぐらいだろうか?
 メジャーな干支とは言え、人の名前に使われているパターンは少なそう。やっぱり羊は珍しい。
 と名前(の意味の1つ)が昆虫のぼくが偉そうに言う。虫の字は入っていないけれど鍬形みたいな本名なのよ。