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フリーランス

by 唐草 [2012/04/16]



 フリーランスのジャーナリストとかフリーランスのシステムエンジニアというと、できる人という印象がある。「フリーランス」という言葉の魔力だろう。ひとりでも仕事をこなせる確かな力量、会社という枠が無くても自立していられる主体性、そして仕事から仕事へと渡り歩いていく独立性。フリーランスには、こんな印象がある。ちょっと憧れてしまう肩書きの1つである。
 だが、よくよく考えてみると「フリーランス」の立場は弱い。後ろ盾となる会社の存在がないので所詮は個人に過ぎない。わずかなミスでも職を失いかねないし、次の契約がある保証もない。大きな実績でもない限り、社会的な立場もあやふやなままだ。
 また、雇う側から見てみれば、案件や期間限りの雇用でしかない。雇われる側はフリーランスと自称していても、帳簿上の処理はアルバイトと同等な場合もあるだろう。
 この事実を踏まえて考えてみよう。
 フリーターとフリーランスの違いってどこにあるのだろう?
 「ぜひ○○さんに手伝っていただきたい!」と会社の方から案件が来るのがフリーランスで、履歴書片手に「雇って下さい」と会社をまわるのがフリーターだろうか?それとも日給3万円がフリーランスで、時給850円がフリーターだろうか?はたまた技量を買われて雇われるのがフリーランスで、頭数あわせとして雇われるのがフリーターだろうか?
 線引きは難しい問題だ。フリーターのジャーナリストとかフリーターのエンジニアと名乗ると急にレベルが下がったように感じてしまう。どうしてもコンビニバイトの気配が付きまとってしまう。
 フリーターとフリーランスの境界は分からないが、もしかしたら「フリーランスのコンビニ店員」という存在に該当する人物がいるのではないか?月木はセブンイレブンで、火水はファミマ、金曜だけはローソンで働くような、コンビニ店員がいたら「フリーランス」と呼びたい。しかも、レジ打ち、接客、商品管理からバイト教育までをバッチリこなす本社教育係並みの実力を持っている。花見などの季節限定の繁忙期にはどこからともなく現れ、必ずシフトに入って鮮やかに客をさばく。
 「○○さんがいれば、怖いもの無し!」そんな風に呼ばれる伝説のコンビニバイト。正規採用の誘いを断り、なぜか店舗ではなく本社との契約書を交わすコンビニ店員。それがフリーランスのコンビニ店員だ。
 むっ?この華麗なレジさばき。ひょっとしたらあなたのペットボトルのバーコードを流れるような動作で読んだその店員は、伝説のフリーランスかもしれない!