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釣りの演技

by 唐草 [2014/03/03]



 昨日は、ゲーム内の釣りについて書いたが、今日は映像の中における釣りについて書いてみようと思う。
 ぼくは、別に釣りのベテランという訳ではない。数年前に海釣りに行ったのが最後だ。だが、一通りの釣り方の経験がある。川で海で湖で釣糸を垂れたものだ。なお、船酔いが酷いので船釣りだけは経験がない。
 さて、一言に釣りと言っても様々なスタイルがある。分かりやすいところでは、餌を使った釣りと疑似餌を使った釣りなんかがある。
 餌と言っても狙う魚によって様々だ。例えば堤防で浮き釣りをしてメジナなんかを狙うのならばオキアミを使う。投げ釣りでカレイなんかを狙うのならば、ゴカイを使う。
 狙う魚によって変わるのは、餌だけで無い。仕掛けも変わるし、竿やリールを持つ手の動きも変わる。
 こう言う基本的な基礎知識を持っていると、映像の中の釣りがチグハグなものに見えることがある。
 道具の扱いを見れば役者さんが釣り経験者かどうか瞬時に見分けられる。
 良くわかるのはリールだ。リールは釣具の中でも扱いの難しい道具。複雑な機構で糸の巻き取りを行っている。とは言え、リールを見ながら操作しなければならないという難しさではない。どの程度巻くのか、どのタイミングで巻くのかが難しい道具であり、糸を巻くこと自体は簡単だ。
 だが、釣り経験のない役者さんは、リールに目が行ってしまっている。特にキャスト(仕掛けを投げる)するときにベイルアームと呼ばれる部分の操作に難儀していることが多い。
 また、釣り上げるシーンで糸を巻きすぎていることも多い。釣糸は、竿を立てた際に針先が手元にくるように巻くものだ。そうでないと餌を付け替えることも針にかかった魚を外すこともできない。ところが、経験がないと巻けるところまで巻いてしまい、手を伸ばさないと針に手が届かないなんてシーンを目にすることが多い。
 巻くといえば、魚がかかった演技で竿を立てたままリールを巻くのもまずい。それが大物がかかった演技であればあるほどまずい。リールを使った釣りの基本は、竿を立てて魚を引き寄せ、魚が近寄ってきたら素早く竿を倒してたるんだ糸をリールで巻き取るという動作だ。この動作を繰り返して魚を手元に手繰り寄せる。
 リールの巻き取りだけで魚を手繰り寄せるのはあまりにも力を浪費してしまう。リールだけで釣り上げられるのは、基本的に小魚だ。
 こんな風に基本をおろそかにした釣りの演出が多く目に付く。ちょっとでも釣りの知識があるとかなり興ざめに見えてしまう。