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iPad Airを買いに

by 唐草 [2014/03/16]

　 我が家の初代iPadがいよいよ限界に達しつつある。処理能力の面でもいっぱいいっぱいな感じがするが、それ以上の問題がある。
　どんなモバイル機器にも付きまとうバッテリーの衰弱だ。
　我が家の初代iPadもモバイル機器の宿命からは逃れられなかった。もう全然充電がもたなくなっている。使っているとドンドンバッテリーが減っていく。有線でないと不安になるような状況だ。
　それに初代iPadは、Appleのサポートサイクルからも外れている。iOS5で止まったままだ。様々なアプリが使えなくなる日も近いだろう。
　そして目前に控えた消費税のアップ。
　これらの要素を鑑みると今がまさに買い換え時。明らかに政府の策略に乗せられてるような気もするが、抗っても勤勉な納税者になるだけだ。
　さて、我が家でiPadを使っているのは、ぼくではなく母親。そのため、今回の買い換えにも積極的なのはぼくよりも母親。自分で買いにいくと意気込んでいた。
　ただ、一般的なPCの知識しか持ち合わせない母にとって家電量販店の店員との会話は、宇宙人との会話と大差ない。iPad本体だけを買いにいったはずなのに、必要としないケースや保護フィルム、Apple Careのような有償保証、そして果てにはLTE回線の契約までしてきてしまうかもしれない。
　ぼくが買ってくれば早いのだろうが、なぜか自分で買いにいく決心は固い。
　ややこしいことになっても面倒なので、ぼくは母に店員との会話の流れと返答内容をあらかじめ伝えておくことにした。これは家電量販店で買い物をするためのプロトコルである。
　
　欲しいハードは？→iPad Air
　モデルは？→Wi-Fi
　容量は？→16GB
　ケースは？→いらない
　フィルムは？→いらない
　保証は？→いらない
　モバイルルータなどは？→(本当は契約していないけど)すでに利用していますと言って断る
　
　この応答が決まっていれば、最小限の会話で商品を手にできることは間違いない。
　結局、ぼくも店について行ったのだけれども、未来予知でもできるのかと言うほどに見事にこの流れで会話が進んでいった。
　ただ、最後のステップで問題が発生した。今は、なんのモバイルルータを使っていますか？という質問が来てしまった。しまった、この問いはプロトコルに含まれていない。
　母は検討違いの回答をいている。
　その瞬間、店員は鴨を見つけたような目付きに変わった。よく見ればこの店員は、EMOBILEの販売応援だ。このままでは、EMOBILEと契約させられてしまう。
　ぼくは、もっともこの店員にダメージを与えられる一言で彼を黙らせた。
　「WiMAX使ってますから。」

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