by 唐草 [2014/03/23]
暖かくなったので大掃除を敢行した。
大掃除と行っても、年末に行われるような普段掃除しないような場所を掃除する掃除らしい掃除ではない。正確には、掃除と言うよりは片付けとでも言った方が良いのかもしれない。押し入れの奥などに死蔵されている品を引きずり出して、まだ取っておきたい物ともう捨てて良いものに分別する作業を行った。
押し入れの中には、おもちゃ、書籍、洋服、季節のものなど様々なものが入っている。ある意味、我が家の歴史の積み重なったものだ。
どの品も記憶にあるものばかりだ。もっとも古いものでは、ぼくが幼稚園に入る前にお気に入りだったというぬいぐるみまで出てきた。ここはタイムカプセルか。
ぬいぐるみほどの歴史はないが、確かに懐かしい品も多く収蔵されていた。だが、それらの品に思い出以上の価値はあるのだろうか?
この辺の意見は人によって千差万別だろう。
今のぼくには価値が感じられない。
という訳で、いわゆる思い出の品的なものを一斉処分することを決断した。
押し入れの奥にしまわれたっきりになっていた昔のおもちゃ、もう何年も開いていない本なんかをごっそり捨てた。
以前は、大切に思えた品も今ではゴミである。価値観の変容とは不思議なものだ。
でも、それ以上に不思議なものがある。
押し入れの中身だ。
何度も何度も大がかりな掃除をして中身を減らしているはずだ。また、新しいものを押し入れに入れた記憶もない。それなのに何度掃除をして、どんなにゴミとして中身を処分しても、今だに押し入れはいっぱいのまま。押し入れの中で品が増殖しているのだと言われた方が納得できるほどにものが残っている。これが片付く日など来るのだろうか?