by 唐草 [2015/03/21]
光る生物というとみなさんは何を想像するだろうか?
キノコ、ホタル、夜光虫とかいろいろなものがある。光る目的も生物によって多種多様らしい。餌をおびき寄せるために光ったり、その逆に敵の目をくらませるために光るものもいるらしい。人間からすれば呑気に「わぁーきれいー」とか言うだけの現象かもしれないが、光る生物自身にとっては命を賭けた重要な行為なのだそうだ。
光る生き物のなかでも、アンコウは有名な生き物だろう。サイズも大きいし、なによりも顔の前に提灯のように光を灯して餌を誘うという漁り火にも似た高度な生存戦略は印象的だ。
アンコウに関して、衝撃的な事実を知ることになった。
なんとアンコウは、自分自身だけでは光を発することができないというのだ。
なんだって!光る生き物の代表格のようなポジションにいるのに自力では光れ無いのか!
じゃあ、どうやって光っているのかというと提灯に当たる部分に発光バクテリアを住まわせているそうだ。共生の結果、光るという能力を手にしたのだそうだ。
そう書かれている文献を読んで誰かに話したくなるほど驚いたのだが、スッキリしない印象が残った。昔、アンコウは自力で光るという文章を読んだことがあった。研究が進んだ結果、光るメカニズムの解釈が変わったのだろうか?それともぼくが、何かと混同して勘違いをしているのだろうか?
気になってみたのでアンコウについて簡単に調べてみた。
その結果、生物分類学に明るくないぼくは大混乱に陥る事となった。
アンコウの代表格みたいに有名なチョウチンアンコウは、自分自身で発光物質を生成することができるらしい。だから、自力で光る。一方、チョウチンアンコウとは別の科のシダアンコウは、発光物質を生成できないので発光バクテリアを提灯の先に飼っているそうだ。
同じアンコウ目で、ほぼ同じような場所を光らせているというのに発光方法がまったく異なるそうだ。
進化の世界は実に奥が深い。どのような順番で、発光という能力を手にしていったのかもっと詳しく知りたくなってきた。