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茶トラとは言わせない

by 唐草 [2022/12/18]



 猫には毛の色や柄ごとにいろいろな呼び方がある。
 最近「ハチワレ」という呼び方を目にする機会が多いが、これは柄の入り方の名称。顔がツートンカラーのハチワレは白黒猫の印象が強いが、縞模様を背負った猫にもハチワレはいる。
 白猫や黒猫は広く使われているが、まじりっ気のない純粋な白猫や黒猫はけっこう珍しい。白猫も黒猫も突然変異で生まれた毛色なので遺伝的には弱いのかもしれない。
 「茶トラ」と呼ばれる柄がある。オレンジ色の縞を持つ猫だ。千歩ぐらい譲れば「黄金の毛並みを持つ猫」と言えなくもないような気がしないでもない。
 我が家にも茶トラに分類される猫がいる。だが、ぼくはその猫の色や柄を「茶トラ」と呼んではいない。
 何を隠そうぼくは「茶トラ」という呼び方がキライだからだ。だって「茶」でも「トラ」でもなくないか?
 茶と呼ぶには明るすぎる毛色。日本の古い呼び方で「赤犬」とも呼ばれる柴犬に似た色だということを考えれば「赤猫」が相応しい。とは言え、古典的な「赤」のカバー範囲はとても広いので、今の感覚にはそぐわない。
 また、他の縞猫に比べると縞が薄い。よく見ないと分からないぼやっとした縞柄だ。トラのようにくっきりした模様ではないのでトラとも呼びたくはない。もしかしたら「虎柄だけど黒い縞の部分が茶色」という長い説明の略が「茶トラ」なのだろうか?そうだとしたら随分後ろ向きな名前だ。ますます賛同したくなくなる。
 ここまで茶トラのことを散々に言ってきた。そんなぼくは「茶トラ」のことをどう呼んでいるのか?それが気になる人もいるだろう。
 ぼくの呼び方は単純。見た目をそのまま言葉にしている。
 「オレンジ猫」
 こう呼んでいる。薄ぼんやりとした柄は話題の中央には据えず、全体の色の印象をそのまま言葉にすれば「オレンジ猫」が適当だと思う。
 オレンジという横文字を使うのが気に食わないという横やりが入るかもしれない。それならば「橙猫」とか「みかん猫」でも構わない。要するにぼくの中では、茶トラの色は熟れた柑橘系の果物の色として認知されているのだ。