by 唐草 [2014/06/16]
社会人になって以来、消しゴムと言う文房具に触れる機会が激減している。
高校生ぐらいまでは、忘れようものならその日の学校生活に大きな支障を来しかねない必須アイテムだった。でも、今では月に一度しか使わない。
逆に言うと、ちょっとした事情で月に一回は絶対使っているのである。
今日がちょうどその日。
マンガの原稿の下書き線を消すというような華々しい使い方ではない。
職場の出講台帳の下書きを消すだけの簡単なお仕事だ。
この出講台帳、書いてみると大したことはないのだが、書こうとする気持ちをくじくだけに十分な面倒さを持っている。何月何日の何限に出たのかを表にするだけなのだが、テンプレートの枠線が実に使いにくい。日付を書いたところから15cmぐらい離れた場所にチェックをいれなくてはならないのだ。
それもボールペンで。
一発勝負のボールペンでそんな難易度の高いことはできない。間違えてはいけないというプレッシャーがあるだけで間違えてしまう確率は跳ね上がる。
現に一度間違えて訂正印だらけの難解な書類を仕上げてしまったことがある。あんな屈辱は二度と味わいたくない。
だからボールペンで清書する前に、鉛筆でそっと下書きをしているのだ。
その下書きを消すのが我が家の消しゴムに与えられた唯一の仕事。だが、云万円がかかった重要な仕事でもある。使用頻度こそ月に一回と低いが、なくてはならない重要な消しゴムなのである。