カレンダー

2014/06
     
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

今季最大のピンチ

by 唐草 [2014/06/20]



 お昼過ぎに今季最大のピンチを迎えていた。
 これから授業だというのに、ぼくは死にそうな顔をしていたに違いない。体を動かす手順をちょっとでも間違えたら吐いてしまいそうな状態にあった。
 原因は分かっている。責任はぼくにある。
 お昼ご飯を食べ過ぎてしまったのだ。
 金曜日は、13時ごろから3限連続の授業がある。だから、途中でお腹が空かないようにいつもより多く食べるようにしている。冬眠前の熊のように食べ貯めておかないと、授業の途中で血糖値が下がってフラフラしてしまう可能性がある。さすがに授業中に先生が菓子パンをモソモソ食べるわけにもいかないので、どうしても腹持ちが良いものを多めに食べておく必要がある。
 でも、今日は明らかに食べ過ぎてしまった。
 ズボンのボタンを外してもまだ苦しい。好物の油淋鶏につられてボリューム満点の定食を頼んでしまったのが敗因だ。途中で残すという選択肢もあったかもしれない。でも、ぼくは自分で注文したものは残さず食べるというのを信条にしている。だから、妙な意地で食べきってしまった。
 おかげで胃は、石でも詰まっているのではないかと思うほどに重く感じられる。
 座っていると苦しい。これなら立っている方がまだ楽。とは言え、歩くには苦しすぎる。寝たい。どこかで横になっていたい。だが、大学にそんな場所はない。保健室的な施設がどこかにあるはずだが、どこにあるか知らないし、無駄に広い学内を歩き回るだけの余裕は今のぼくには無い。
 結局、木陰のベンチで倒れていた。じっとおとなしくして回復を待っていた。できることは何もない。ただただピンチが去るのを待つだけだ。
 幸いにも授業開始時には、動ける程度には回復していた。とは言え、体はまだ警告サインを出していた。