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IPv6の壁:後編「ぼくはボット」

by 唐草 [2022/03/15]



昨日からの続き
前回あらすじ
 機器未対応でIPv6が使えない。原因と思われる古い光ファイバー終端装置(ONU)の交換には嘘が必要?

 「不具合」は便利な言葉。悪いことが起きるかもしれないし、起きないかもしれない。そんな嘘か真か分からない状態を一様に黒だと断じてくれる魔法の言葉。
 不都合な契約に気づいた今こそ「不具合」を活用するとき。古い機器をIPv6対応版に交換するための方便だ。「不具合」のある話を練り上げ、サポートチャットの門を叩いた。文字なら声が上ずって嘘が露見する心配もない。
 嘘を貫くために、言いたいことや聞かれるであろうことはメモ帳に書いてある。
 オペレーターからは予想通りの質問が飛んでくる。それにコピペで返す。オペレーターはぼくの発言をマニュアルと照らし合わせているのだろう。向こうからの返事は、興味ない異性からのメッセージを面倒そうに返すときぐらい遅い。対するぼくは長文もコピペで1秒だ。
 このやり取りを見るとぼくがボットのよう。AIを活用したサポートボットが増えているが、問い合わせするボットというのは聞いたことがない。
 オペレーターはどんな顔してぼくの秒速返答を見ていたのだろう?
 エラーコードを告げたのに有線かWi-Fiかと聞いてくる。こんなことまで確認していたら結論に至るまで数時間かかりそう。いくら高速返答しても焼け石に水だ。
 ルータの機種とWi-Fi接続であると伝えたもののオペレーターからの反応が無いので、有線とWi-Fiで変わることがあるのか考えていた。IPv6につながるかどうかは回線とルータの間の話であって、家の中のLANとは無関係ではないか?
 返事をただ待っているのは退屈なので、有線接続のPCを確認した。するとIPv6接続していた。
 なんだって!?接続方法が重要なのか?いや、もしかしてこのMacが悪いのか?
 Macを確認したらIPv6不使用になっていた。これが原因か。以前に最適化と称して切ったことを忘れていた。
 Macの設定を戻すと問題は解消。これ以上のチャットは無用だ。メモ帳には無い「自己解決できました。ご対応ありがとうございます。」を打って一方的にチャットを後にした。
 今回のトラブルは完全に自分の驕り。基本を確認する重要さをオペレーターから教わった。
 さて、ボットのように秒速回答し、問題の核心に届く前に自己解決して去っていくユーザは、どのようにオペレーターの目に映っただろう?