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絆創膏という名

by 唐草 [2022/03/30]



 3月は絆創膏のお世話になった。こんなに絆創膏を使ったのは、しょっちゅう転んで擦り傷を作りまくっていた幼稚園の頃以来だろう。おかげでここにも絆創膏という言葉を書きまくった。転んでもただでは起きないというか、流れる血すらネタにする精神の為せる業かもしれない。
 ここでは絆創膏という一般名称を用いているが、これは文章だから。現実で口に出すときは関東の人間らしく「バンドエイド」と呼んでいる。
 絆創膏の呼び方にが地域差があることが知られている。ネットを見ると「バンドエイド」、「カットバン」、「サビオ」、「リバテープ」、「キズバン」などの商品名が使われていると書かれている。ぼくは狭い範囲で生きているので「バンドエイド」以外聞いたこともなければ、口にしたことすらない。
 「絆創膏」という言葉は今でこそ一般名称になっているが、元は商品名の一部だったらしい。「きず(創)」を「しばる(絆)」ための「くすり(膏)」というそのものズバリを示す名前はよくできている。ダブルミーニングで「きずな」を「つくる」「くすり」とも解釈できる点もうまい。一般名称まで昇華するのも当然と言える秀逸なネーミングセンスだ。
 「バンドエイド」と「ばんそうこう」。同じものを指す言葉にしては、あまりにも似ていないだろうか?ぼくは「絆創膏」という言葉はオリジナルではなく、「バンドエイド」の非公式和訳ではないかと無根拠に睨んでいる。
 ネットを調べてもぼくの主張を補強する説はひとつも見つからなかった。でも、日本で「絆創膏」という言葉が生まれる20年以上前から海外では「バンドエイド」が存在していたことは無視できない。海外事情に詳しくてセンスの良い日本人(ニチバンの人)が、韻を踏んだ和訳を作っていても不思議はない。
 先に絆創膏を意味する商品名をいくつか挙げたが、「サビオ」は一度販売終了しているそうだ。今では北海道限定発売との話も出ていた。このままでは「サビオ」の名は消えてしまうのではないかと他人事ながら心配である。